↑4・午後のショッピング †  午後はショッピングのために、駅ビル周辺の街に移動した。駅ビル周辺は活気に溢れていた。 よけ藩国は砂漠化の折に、多くの建物を失った。駅ビルも例外ではなく、一度は破壊されたが、優先的に修繕がなされ再稼動を果たしている。 そのため、駅ビル周辺は他所よりも早く復旧が進んでおり、ショッピングをするためには此処まで来たほうが良いのである。  共用の厩舎にアクアを預けて、いろいろなお店を見て歩く。よく行くお店では、必要な日用品を買い揃えていきながらも、物価のチェックも欠かさず行う。 ついつい、次に買い物に来た時も考えて、真剣な眼差しで商品と睨めっこをしてしまう。  衣料品・雑貨店が並ぶ通りでは、可愛いアクセサリーを見つけて、目を輝かせる。今度はお財布の中身を気にしつつ、値札と睨めっこである。 うー、ちょっと高い…。悩みながらも断念する。しかし、森沢は挫けなかった。かわいい服や雑貨を見つけては目を輝かせ、値札と睨めっこ。目を輝かせては、睨めっこを繰り返しす。  そうして、いくつものお店を巡っていると、手芸品店にたどり着いた。そのお店は、様々な柄の生地や刺繍など、品揃えが豊富にあった。 それらの中から、かわいい柄の生地を見つけることができ、何か作りたいなという衝動に駆られた。  どんなものがいいだろうか、誰かにプレゼントするのもいいかななど、材料を選びながら考える。ふと、店内にある猫のぬいぐるみが目に付いた。 クッションの横にある、そのぬいぐるみがとてもかわいらしく見える。そこで森沢は閃いた。 ガミッチ様に手作りのクッションをプレゼントしよう!  ガミッチ様は、リアクションがとても可愛らしい、よけ藩国の王猫である。クッションをプレゼントしたら、きっと「みゅーー」と喜んでくれたり、しっぽをふりふりしてくれそうだ。 クッションに座っているガミッチ様もきっと可愛らしいだろう。そう考えると、俄然やる気が出てくる。手芸店で必要な材料を買い込んだところで、次の予定の時間が来る。 アクアを迎えに行って、森沢の長いショッピングは終了した。