↑1・朝起きて朝食 † 1.森沢さんの休日の朝  朝。雲の合間から砂漠に光が射しこみ、光を反射させて白く輝く砂が、周囲に光をあふれさせていた。  森沢の朝は早い。早朝から作業の打ち合わせや友人の相談を受けていたりなど、忙しい毎日を送っているためである。 目を覚ますと、まず枕元にある写真に挨拶をする。 『舞さん青さん、おはようございます。』 以前、慰労ゲームで、一緒にパーティをしたときの写真。笑顔があふれる二人の写真に、起きるときと寝るときの挨拶をする。それが森沢さんの日課であった。 写真に元気をもらった後に、ぐぐぐ〜と体を伸ばす。一日の始まりである。  手早く朝ご飯の準備をしながら、本日の予定を考える。 普段であれば仕事場に行き、資料相手に激戦を繰り広げたり、ハリセン片手に陛下に突っ込みいれたりするところだが、今日は休日なのである。  忙しい日が続いていたので、ゆっくりするのもいいかもしれない。それとも、どこかに買い物に行こうかな。などと考えつつ、窓の外を見る。空には薄い雲が広がっていた。  曇り。外出するにはいい天気だ。晴天になると日中の日差しの強さから、外出が躊躇われる。そのため最近のよけ藩国は、曇りがいい天気ということになるのだ。 せっかくなので外出しようかと考え、大体の予定を立てたところで、ちょうど朝ご飯の準備は終了した。  今日の朝ご飯は、避け牛のチーズ、避け木苺、ヨーグルト、紅茶、にハムとパン。ちょっと優雅にコンチネンタルだ。 お気に入りのティーカップに紅茶を注ぐと、いい香りが食卓に広がった。紅茶を堪能しつつ、ゆっくりと食事をし始める。  パンを食べると、サクッといい音が立ち、避け木苺を食べると、口内に甘酸っぱい風味が広がった。 とても美味しそうに、五感で食事を楽しむ。特に避け木苺は絶品で、苦労して入手した甲斐があったなぁ、と満足できるものだった。  優雅に紅茶とヨーグルトで朝食をしめると、目をつぶり、両手を合わせる。 『ごちそうさまでした。』